2009年 4月24日

軍艦島 緑なき島


長崎県の沖合いに浮かぶ端島(はしま)、通称「軍艦島」が
今、脚光をあびています。

台風の直撃や波浪から島を守るためにグルリと周囲に
設けられた高さ10メートルの防波堤。
林立した建物によって覆われているため見えない島の地肌。
木々や緑がなく、全てがコンクリート色の島。
大海原にポツンと浮かぶ様は、まさしく軍艦のようです。

軍艦島の遠景
野球のグラウンドを造ったとしたら、わずか4つ程度の小さなこの島に
最盛期で5000人もの炭鉱労働者やその家族の方が住んでいました。
一説によると世界一の人口密度だったとも言われています。

その居住用アパートは、日本最初期の鉄筋コンクリート団地で
今現在で築90年ほどとなっています。
わずかな土地に高層建築物が空に向かい、場所によっては
空が見えにくいほどです。
今の日本の建築基準法の安全性や、採光、通風、衛生環境など一切
当てはまりませんよね。

軍艦島の日本最古のRC集合住宅

軍艦島の廃墟群

また当然街路樹や公園、芝生のような「緑」はなく、
松竹映画で「緑なき島」として話題にもなりました。
島民の方が建物の屋上やほんのわずかなスペースに
草木を植えるなどの緑化運動もされていたようです。

戦時中は炭鉱で戦時捕虜や強制徴用された朝鮮の方なども
多く労働させられていたりといった、日本の歴史遺産としても、
またある意味(悪い意味で)究極の住宅だという点からも
今後も長く保存をしていくべきものだと思います。

「軍艦島を世界遺産にする会」というのがあるので興味ある方はぜひ。

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