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軍艦島 緑なき島


長崎県の沖合いに浮かぶ端島(はしま)、通称「軍艦島」が
今、脚光をあびています。

台風の直撃や波浪から島を守るためにグルリと周囲に
設けられた高さ10メートルの防波堤。
林立した建物によって覆われているため見えない島の地肌。
木々や緑がなく、全てがコンクリート色の島。
大海原にポツンと浮かぶ様は、まさしく軍艦のようです。

軍艦島の遠景
野球のグラウンドを造ったとしたら、わずか4つ程度の小さなこの島に
最盛期で5000人もの炭鉱労働者やその家族の方が住んでいました。
一説によると世界一の人口密度だったとも言われています。

その居住用アパートは、日本最初期の鉄筋コンクリート団地で
今現在で築90年ほどとなっています。
わずかな土地に高層建築物が空に向かい、場所によっては
空が見えにくいほどです。
今の日本の建築基準法の安全性や、採光、通風、衛生環境など一切
当てはまりませんよね。

軍艦島の日本最古のRC集合住宅

軍艦島の廃墟群

また当然街路樹や公園、芝生のような「緑」はなく、
松竹映画で「緑なき島」として話題にもなりました。
島民の方が建物の屋上やほんのわずかなスペースに
草木を植えるなどの緑化運動もされていたようです。

戦時中は炭鉱で戦時捕虜や強制徴用された朝鮮の方なども
多く労働させられていたりといった、日本の歴史遺産としても、
またある意味(悪い意味で)究極の住宅だという点からも
今後も長く保存をしていくべきものだと思います。

「軍艦島を世界遺産にする会」というのがあるので興味ある方はぜひ。

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